CYP2D6は、シトクロムP450スーパーファミリーのメンバーで、薬物代謝、およびコレステロール、ステロイド、他の脂質の合成に関与する多くの反応の触媒となるモノオキシゲナーゼである。この遺伝子は、小胞体に局在し、一般的に処方されている薬剤の25%を代謝することが知られている。その基質には、抗鬱薬、抗精神病薬、鎮痛薬・鎮咳薬、βアドレナリン遮断薬、抗不整脈薬、および制吐薬がある。また、ヒト集団において非常に多様であり、特定の対立遺伝子により、酵素の基質代謝能の低下を特徴とする低代謝表現型となる。低代謝表現型の人は、2つのヌル対立遺伝子のために機能タンパク質を有さない人もいる。また、超高速代謝表現型の人は、この遺伝子の3つ以上の活性コピーをもつ可能性のあることが報告されている。