GATA6は真核生物の発生に関与するGATAファミリーに属する転写制御因子である。GATAファミリーにはGATA1からGATA6があり、GATA1, GATA2およびGATA3については造血幹細胞の、GATA4, GATA5およびGATA6は、内胚葉および中胚葉組織の発達と分化に関与する。GATA6のがんとの関係については、がん抑制遺伝子としての報告がある一方で、膵臓および胆道癌では、遺伝子増幅とそれに伴う発現量の増加が認められ、それが細胞増殖の亢進に関与していることが報告されており、がん種によってはがん遺伝子として機能する可能性が示唆されている。また、大腸癌におけるGATA6過剰発現は、予後不良因子として報告されている。