MYBは造血の調節に働くことが知られている転写制御因子である。腺様嚢胞癌において、染色体6番と9番の間の転座により生じるMYB-NFIBの融合遺伝子が高い頻度で検出される。しかし、この転座により融合遺伝子ができることが重要ではなく、特定のmiRNA（miR-15a、miR-16およびmiR-150）のターゲット配列を含む、MYB の3'-UTR（エキソン15）の欠失が起き、miRNAによる分解を回避しMYBの高発現が起きることがドライバーとなる。MYBの高発現は、細胞周期制御、DNA複製と修復、およびRNAプロセシングに関する遺伝子の発現に影響を与え、細胞増殖の亢進を引き起こす。